予防接種のワクチン別費用
当院にて自費で接種する際のワクチンの費用です。予防接種は事前予約が必要ですのでお電話(03-3777-8010)にてお問い合わせください。自費ワクチン予約後は発注をしますのでキャンセルできません。万が一キャンセルした場合もお支払いをお願いする場合があります。
※記載のないワクチンをご希望の方はお電話にてお問い合わせください。
※ワクチン納入価格の変動などにより料金が変動することがあります。
予防接種とは
予防接種の目的は、ウィルスや細菌に感染する危険性を減らす、感染した場合の重症化の危険性を減らすなど接種した本人へのメリットだけでなく、同居の方、職場の方、友人など身の回りの方への感染のリスクを減少させ、社会を感染症から守る目的もあります。病気に対する薬は症状が出現してから飲みますので、効果を実感し「飲んでよかった」と思うかもしれませんが、予防接種は健康な時に接種するため効果を実感しにくいと思います。副反応もゼロではありません。だからこそ感覚で判断するのではなく、科学的な根拠に基づいた知識を得て接種するかどうかを判断していただきたいと思います。
予防接種の種類
予防接種には、「定期接種」と「任意接種」の2種類があります。定期接種は各自治体が実施する予防接種のことを言います。定期接種には肺炎球菌ワクチン(65歳以上、5歳刻みで1回)、結核に対するBCGワクチン、麻しん・風しん混合ワクチン(MRワクチン)、日本脳炎ワクチンなどが挙げられ、公費負担となります。任意接種は個人の判断で受ける予防接種となり、自己負担となります。任意接種にはインフルエンザワクチン、肺炎球菌ワクチン、おたふくかぜワクチン、A型肝炎などが挙げられます。
肺炎球菌ワクチン
肺炎は心疾患、悪性腫瘍、脳血管障害とならんで高齢者の主な死因の一つです。その原因の一つである肺炎球菌という細菌による肺炎を予防します。全ての肺炎を防げるわけではありませんが、肺炎球菌による肺炎は約30%ともいわれています。肺炎球菌は90種類以上の莢膜(きょうまく)といわれる膜を持ちます。ワクチンはそのうちの23種類の莢膜成分を含む23価ワクチン:ニューモバックスNP®と13種類の莢膜成分を含む13価ワクチン:プレベナー13®の2種類があります。65歳以上で5歳ごとに接種する定期接種では23価ワクチンが使用されています。任意接種ではどちらでも選ぶことができます。高齢者、心臓や呼吸器の慢性疾患や糖尿病などの基礎疾患がある方はご相談ください。
麻しん(はしか)ワクチン
麻しんウィルスは感染力が非常に強いウィルスです。空気感染、飛沫感染、接触感染により1人の感染者から12人~14人に感染させるといわれています。症状は発熱、咳、咽頭痛、発疹などですが、中には重症化し、肺炎や脳炎を起こすこともあります。マスクだけでは予防しきれない感染力の強さであり、感染予防には麻しんワクチンやMRワクチン接種で免疫を獲得しておく必要があります。
風しんワクチン
風しんは咳やくしゃみなどで感染する飛沫感染です。症状は発熱、発疹、リンパ節腫脹などで、大人になってから感染すると症状が強く、脳炎や血小板減少性紫斑病などを発症し重症化することがあります。また妊娠中に風しんに感染すると、胎児にも影響が出て、生まれてくる赤ちゃんが「先天性風しん症候群」となることがあります。主な症状は、難聴、心奇形、白内障、精神発達遅滞などです。これを防ぐために厚生労働省は風しんワクチンを接種していない世代(1962年4月2日から1979年4月1日生まれ)の男性に抗体検査を無料で行っています。コロナ渦で予防接種が進まず、抗体検査は2024年度まで3年延長することに決まりました。妊娠希望の方、同居のご家族などは大田区の助成も是非利用してください。
水痘(水ぼうそう)・帯状疱疹ワクチン
水ぼうそうと、帯状疱疹は同じウィルスVZVによるものです。初めてVZVに感染すると水ぼうそうとして発熱や発疹が出ますがほとんどは軽症で完治します。VZVはその後も感覚神経に潜伏しており、高齢者など免疫が低下したときに再活性化し発症します。身体の片側の神経に沿って発疹が出現し、治癒後も「帯状疱疹後神経痛(PHN)」と呼ばれる激しい痛みが残ることがあり問題視されています。2020年、50歳以上の方に新しい帯状疱疹ワクチン(シングリックス®)が接種できるようになりました。初回と2か月後の2回接種が必要です。任意接種ですのでご希望の方はご相談ください。
B型肝炎ワクチン
B型肝炎ウィルスは感染すると、無症状または一時的な急性肝炎で治癒する場合と、持続的な感染により慢性肝炎となり、そこから肝硬変や肝細胞がんとなる可能性があります。母子感染や針治療、入れ墨、性交渉などで感染する可能性があります。1歳までに行う定期接種が2016年から始まりました。定期接種を行っていない方は任意接種で、接種前に抗体の有無をチェックします。医療従事者などリスクの高い方の他、海外渡航予定のある方など希望者は接種することができます。初回、1か月後、6か月後と3回の接種が必要で、7~8か月後に抗体できたかをチェックします。
おたふくかぜ(ムンプス)ワクチン
おたふくかぜはムンプスウィルス感染による流行性耳下腺炎の別名です。感染経路は飛沫感染や接触感染です。症状は発熱、耳下腺の腫脹、痛み、倦怠感などですが、30%程度は感染しても症状がでない不顕性感染といわれています。重症化は比較的まれですが、成人になってから感染すると、髄膜炎、膵炎、精巣炎、卵巣炎などを引き起こすこともあります。
子宮頸がんワクチン
子宮頸がんの95%以上はヒトパピローマウィルス(HPV)による感染が原因と言われています。HPVの感染を防ぐことが子宮頸がんの予防となります。性交渉経験のある女性の50~80%が生涯に一度は感染するといわれるごくありふれたウィルスです。できれば性交渉経験前が望ましく、小学校6年生相当から高校1年生相当の女子が国の定める定期接種対象者です。ワクチンには3種類あり、HPVの9つの型に効果のあるシルガード®9は約90%の子宮頸がんが予防できるといわれていますが、現在は任意接種のみで自費診療です。定期接種ではそれぞれ4つ、2つの型のHPVに対して効果のある、ガーダシル®、サーバリックス®があります。いずれのワクチンも初回、2か月後、6か月後の計3回接種必要があり、3回とも同じものでなくてはなりません。
インフルエンザワクチン
インフルエンザウィルスによる感染症は、脳炎や肺炎などを起こし時には命に関わったり重い後遺症を残すことがある感染症です。毎年、流行するウィルスの型が違い、それにあわせてワクチンがつくられています。前のシーズンに接種していても予防効果は期待できませんので、毎年接種しましょう。ワクチンによる効果は、65歳以上の高齢者では、発症予防34~55%、重症化予防82%といわれており、65歳未満の健康な方では発症予防効果は70~90%と言われています。効果の持続期間は接種してから1~2週間後から約5か月程度です。例年11月頃から増えていき1月から2月に流行のピークを認めますので早めに接種しましょう。
よくあるご質問
- 風邪をひいていても予防接種は受けられますか?
- 37.5度以上の発熱がある場合や明らかに具合が悪い場合は、接種ができません。咳や鼻水などがみられる場合は、症状が軽度であれば接種できます。風邪が治ってからのほうが望ましいですが、症状が長引く場合は接種の機会がなくなってしまいますので、接種を希望される場合はご相談ください。
- 複数の予防接種を受けたいのですがどれぐらいの期間をあければよいですか?
- MR(麻しん風しん混合)・おたふくかぜなどの生ワクチンの後に、別の生ワクチンを打つには4週間あける必要があります。
- 予防接種後に気をつけることはありますか?
- 接種後30分間は、急なアレルギー反応が出ないか注意してください。接種当日〜翌日に熱が出ることがあります。1日ほどで下がることが多いので、元気であれば様子を見ていただいて構いません。長引く場合や症状が心配な場合はご相談ください。接種当日は、飲酒やはげしい運動を避けてください。お風呂は普段どおり入っても大丈夫です。